黒い影。

最近、視界の端に黒い影が横切るような気がしていたのです。で、急いで黒い影が横切ったであろう場所を見るのですが、そこには何も居ないのです。
「む、むむぅ……。季節も季節だし、これはもしや……」
こんな感じに、ここ数日のろこはピリピリとしていたのです。そして先程の事です。台所に居たらサササッと動く黒い影が目に入ったのです。信じたくは無いけど、これはもう彼奴しか考えられません。怖いけど勇気を振り絞ってキッチンマットを捲ったら、居ました。黒い悪魔、ゴッキーです。
「ふ、ふぎゃー!!」
一瞬パニックになりかけましたが、冷静に見ると彼奴はまだ赤ちゃんサイズです。これならろこでも戦えます。急いで先ほど捲ったキッチンマットで踏み付けてやりました。
「うぉりゃぁぁぁぁ!!」
暫らく様子を見たのですが、彼奴が出てくる様子はありません。
「か、勝った……」
ろこは彼奴に勝利した余韻に浸りながらキッチンマットを捲りました。するとどうでしょう。彼奴はまだもぞもぞとうごめいているのです。
「ぎ、ぎゃぁぁぁぁ!!」
ろこは急いでティッシュペーパーを取り、瀕死の彼奴を摘み取って、もう一度「これでもか! これでもか!!」と潰しにかかりました。それでも彼奴の生命力は計り知れないので、念の為ティッシュペーパーの上からビニルテープでぐるぐる巻きにしてやりましたとも。わふ!!
……あー疲れた。恐怖のあまり、一気に全身が凝ってしまいました。それにしても赤ちゃんサイズの彼奴が居るって事は、親玉クラスの彼奴が居るって事ですよねぇ……。い、嫌だー!! 遭遇したくないー!! かと言って共存もしたくないー!! ふ、ふわわわーーーん。
お掃除ちゃんとしてるのに……。過去に彼奴が外から入って来た事もあったのですが、これってホウ酸団子を置いてないのがいけないのかなぁ。ごきぶりホイホイ置いた方がいいのかなぁ。でも捕獲されたごきぶりホイホイを触る勇気が無い。でもろこの知らないところで今も彼奴らは組織の拡大を図っているかもしれない訳で……。
一体、ろこはどうすればよいのでしょう? ふわわわーーーん。