わふらぶもーど。

土曜日は姉からの電話で起こされました。

起きなくちゃ、起きなくちゃと思いつつゴロゴロうとうとしていたので、起こされる事はいいのですが、それにしても電話の音って耳障り。ろこは電話恐怖症なので、電話が鳴っても驚かないように着信音を着メロにしているのですが、それは当然目覚まし目的ではなく、着信を伝える為の音楽なので、やっぱり目覚めに聞くのは不愉快です。

土曜日だし仕事関係ではないよなぁと思いつつ、着信表示を見ると姉の名前が。うーむ……。別に喧嘩をしている訳ではないのですが、ろこは身内で一番テンションの低い人間なので寝起きに身内と会話をする気力が沸かないというか、なんと言うか……。でも携帯電話で居留守っていうのもなんなので仕方なく出ると案の定、いつも通りマイペースにテンション高い目に話し始める姉。そしてそれを聞いて一層テンションを下げるろこ。

彼女の用件は大体判っていて、ろこはそれに対してNOと言わなければならない為、なーんとなく気まずいなーと思いつつ「ウン、ウン」と電話に耳を傾けていたら、向こうから大好きな姪のろこを呼ぶ声が!!!!


「おねーちゃん? ろこおねーちゃん??」


姪は最近おしゃまになって、姉が電話をかけていると替わりたがるのです。もちろん姉は母親として「お母さんが電話しているの。後でね? 順番」と言い聞かせ、かわいい姪は「じゅんばん? じゅんばん!」と納得し、順番を守るのですが、今回はろこが順番を守らず「**ちゃん! そうですよ! ろこおねーちゃんですよ!」と、まだ受話器は姉が握っているにもかかわらず、もう姪に話し掛けるのでした。そんな急なろこのハイテンションぶりに姉は呆れつつ、仕方なく姪に受話器を渡してくれました。

今だ! 今しかない!!


「**ちゃん、おねーちゃんですよ! **ちゃん、ろこおねーちゃんですよ!!」


ここぞとばかりにアピールしまくりです。でもあまりにも興奮しすぎてろこだけが煩くて、肝心の姪の声が聞こえないことに気付いたろこは、ここは大人の余裕を見せねばと、大人しくしてみることにしました。すると向こうから聴こえるじゃないですか!!


「ろこおねーちゃん? ろこおねーちゃん?」


わ、わふわふわふーん。かわいすぎー。いじらしすぎー。天使の声ですー。


「はいはい! ろこおねーちゃんですよ! **ちゃんいい子ねー」


誰もいない部屋で、小学生のように挙手しまくりです。アピールしまくりです。それはもう。姪の可愛さに、また暴走しかけたろこですが、今は朝。ここは大人として朝の挨拶をせねば! と思い直し、挨拶をしてみました。「**ちゃん、おはよー」すると即座に「ろこおねーちゃん、おはよー」と返ってきたのです!!


わふわふわふーん。
かわいい!! かわいすぎる!!
「**ちゃん、いいこねー。かしこいねー」
もういいこ過ぎて、褒めまくりです。あんないいこ見たことがない!


そんな風に興奮覚めやまぬ状態でろこが一生懸命姪に語りかけているのに、電話の向こうから姉の覚めた声が。
「もう**、電話要らんって返してきたけど……」


な、なんですとー。


聞けば姉の携帯電話に興味を失い、自分用のおもちゃの携帯でもしもしごっこをいているとのこと。しょんぼり。あと、ろこは興奮していて気が付かなかったのですが、姉曰く「あの子、『ろこおねーちゃん』って言った後に、『じぃじ、じぃじ』って言ってたわ」とのこと。


ろこより、じぃじ(おじいちゃん=ろこ父)がいいんですかー!
しょんぼり。


ろこはダブルショックで姉の用件なんてそっちのけです。……嘘です。聞いてます。聞いていました。姉の用件もろこの都合の話なので疎かに出来ない為、ちゃんと丁重にお話しました。


電話を切る際に、もう一度姪に代わって「バイバイ」を言いたかったのに、用件が済んでスッキリした姉がそんなろこの気も知らずに「じゃぁね」の一言で電話を切ってしまいました。ヒドイ!
でもまぁ、久し振りに姪の元気な声を聞けたので満足です。
わふわふわふー。