サイネリアってシネラリア。

鉢植え。
それはろこにとって、とっても大変な存在なのです。

まず、虫がつくかもしれない。虫嫌いなろこには、とんでもないことなのです。蝶なんて蛾だし、カブトムシもクワガタもゴッキーと大差ないのです。そんなにも嫌いなのです。


なのに鉢植えだなんて!! 虫を飼うようなものじゃないですか!!


次に、きれいに育てれば長生きするものなのに、下手をすると枯れてしまう。それってろこのさじ加減!? もう責任の重さに心臓は高鳴り、脈拍はハイスピードなのです。花束とかの切花だったら水を代えるだけなので(違うの?)まだ責任が軽いんですけど、鉢植えはねぇ、精神的に余裕がないと無理かなぁーと。

そんな「鉢植え論」を持ったろこの元に、母から『花キューピッド』が届いたのです。あれはろこがかなり沈んでいた3月のことです。『花キューピッド』の箱をろこは、「ああ、お母さんが私を元気付けるために花束を贈ってくれたのだなぁ」とそれはわくわくしながらしながら開けたのです。


するとどうでしょう。(BY:『劇的ビフォー・アフター』)
現れたのはピンクの花を咲かせた、鉢植え。


「お、お母さん……」

ろこの心はとても複雑なものになりました。母の気持ちは判ります。確かに嬉しいのです。お花はきれいだし。

でも、でも、でも!

そう、ろこは切羽詰ってるのです。何もしなくっても切羽詰っているのです。
なのに鉢植え。
一体ろこにどうしろと?
でも母は母なりにろこを元気付けようとしているのです。
早速ろこは母に電話をしました。


「お花ありがとう」
「いやね、尋子が元気ないっていうから、お母さん、お花屋さんできれいなお花見つけたしどうかなーって思って。どう、きれいなままで届いてる? 大丈夫?」
「……うん。お花はきれいに届いてるよ。うん」
「そう? まぁお花でも育てたら気がまぎれるからいいんじゃない? じゃーね」


それはもう、ウキウキわふわふして話していらっしゃいました。わふるることはいいことです。母が嬉しそうなので、まぁろこも嬉しい訳で。


そう思い直してベランダに花を置き、そして水をやったのです。そしてはたと気がつきました。花の名前が判らないのです。見た感じキクっぽいのでキク科なんだろうなーって思うのですが、何の花か判らなければ、育てる事が出来ません。しかし人様から頂いた花を枯れさせるなんて、ろこには許し難い事なのです。

ろこは急いで母に電話しました。


「ねぇねぇ、ところでこの花は何?」
「……さぁ?」
「……。どうやって育てるの?」
「……。たぶんお水をやればいいと思う」


母はおおらかな人です。
おおらかすぎる人なのです。

一応、母の名誉の為に書くのですが、彼女は自分で育てる時ははちゃんと調べるのです。ただ今回の花は、見た目がきれいだったことと、花屋が水遣りだけでいいと言ってたので、「じゃぁ大丈夫だろう」という事で送ってきたそうです。ふむふむ。
でも、お花のことを知らないまま育てるのもなぁと思い、知人に相談してみると、知人がインターネットで調べてくれました。ありがとう、知人。

その結果、このお花はサイネリアというらしいです。でもホントはシネラリアって言うんですって。
花は判ったので、今も頑張って水遣りをしているのですが、やはり水遣りだけでは駄目みたいです。水遣り以外にもちょっと手を加えれば長持ちするらしいのです。それを知ったら、頑張らなくちゃ駄目だよなー。新しい花も咲き始めてるし、なんか花が頑張ってるのに、ほっとけないので、ろこもちょっと頑張ってみようかと。でも失敗するかもしれないので、きれいな頃の写真を残しておこうと思います。わふ。