『名もなき毒』宮部みゆき
読了。といっても今日ではなく半月ほど前ですが。本作に出てくるトラブルメーカーの言動が、ろこが東京に来てからの勤務先で出会った人にそっくりで、その時に受けた嫌がらせを思い出し、読んでいる間は本当に怖くて手が小刻みに震えたり、読み終えて数日は精神的に疲れて寝込んでしまいました。そういう理由で、なんとなく読書記録を付けるのも今日までのびのびになってしまいました。なんて貧弱マインド。わ、わひょ。
また本作にはトラブルメーカーの事件とは別の大きな事件が描かれているのですが、これに関してもろこ自身の子供の頃から現在までの色んな事を思い出し、「避けられない不幸ってあるよなぁ」と、とても悲しくて心が痛くて思わず泣いてしまいました。ありふれた日常にある毒ほど怖いものはないですね。こんな毒、無くなればいいのに。
タイトルに”名もなき”毒とあったので「とても重い話なんだろうなぁ……」と、読む前にかなり覚悟はしていたのですが、ろこにはまだ重過ぎました。心の傷って目に見えないから、自分では「もう大丈夫」と思っていても、ちょっとした切っ掛けで傷口が開いちゃうんですね。この作品はとても素晴らしかったのですが、その分読んだ後の精神的な負担も大きかったので、今後重い目の話を読むのは少し控えようと思いました。わふ。
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- 作者: 宮部みゆき
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