『Classical Fantasy Within -第二話 怪力光線砲-』島田荘司

読了。感想ですが、まずは「素晴らしい!」の一言です。
ろこは講談社BOXは、学校の図書館に揃って置いてあって欲しいレーベルだと思っているのですが、『CFW』に関しては、絶対に小学校の図書館に揃えて欲しい本だと思っているのです。ろこが小学生の頃、クラスメイトが挙って青い鳥文庫の『クレヨン王国』を読んだように、『CFW』も子供たちに読んでもらえたらいいのになー、と。講談社BOXは銀の箱に素敵なイラストが貼られているので、本好きのちょっと背伸びしたげな小学生には、堪らないアイテムだと思うのですよ。ろこなら間違いなく、図書館にまっしぐらですね。わふふ。
さて、ここからは超個人的な読書感想になってしまうのですが、第一話に関しては、まずろこ祖父が日本海軍の士官だったり、ろこ父が昭和1桁生まれだったりするので、主人公の「ぼく」がろこ父を思わせ、「ろこ父も子供の頃はこんな感じだったのかなー」なんて思いながら読んでいたり、純粋に空想科学少年的ロマンも堪能していたのですが、第二話は第一話とは全く違った読み方になりました。
第一話でも、子供(「ぼく」)から見た大人の浅ましさの描写が印象的だったのですが、第二話では、周りに住んでいる人達や学校など、大人だけではなく子供にもある心根の卑しさの描写がとても印象的でした。ろこは家庭の事情で、小学校時代は平均1年に1回ペースで引越し、転校を繰り返していたのですが、そんなに頻繁に転校を繰り返していると、何も悪いことをしている訳でもないのに、教師やクラスメイトだけでなく、クラスメイトの親や近所に住んでいる人達に、色んなことを言われてしまうのです。大阪から田舎へ引っ越した時は、特に酷いものでした。でもここで挫けたら両親に迷惑がかかるので、ろこはそんな事に気付かない振りや、気付いたとしても平気な振りをして過ごしていたのですが、でもやはり子供なので、たまに挫けそうになったりして、「何故、みんなは何もしていないろこにそんな扱いをするのか」と、現状が理解できなければ打破も出来ない訳で、そんな自分が情けなくて泣いたりしたのです。今回『CFW』第二話を読んで、もしその時に『CFW』のような作品を読んでいたら、少しは何かが掴めたんじゃないかな、と感じました。
そんな事もあって、繰り返し書いてしまうのですが、『CFW』は大人は勿論の事、是非とも小学生に読んで貰えたらなーと強く思うのです。わふ!

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Classical Fantasy Within 第二話 怪力光線砲 (講談社BOX)

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