『妃は船を沈める』有栖川有栖

読了。
2本の中編を幕間で繋げた長編ミステリなのですが、これはW・W・ジェイコブズの短編怪奇小説猿の手 (恐怖と怪奇名作集4)』には色んな解釈があって面白い、ということを書かれた本という解釈でいいのでしょうか? 恥ずかしながらろこはW・W・ジェイコブズも『猿の手 (恐怖と怪奇名作集4)』も知らなかったので、『妃は船を沈める』の作中でアリスや火村が各々の解釈を語り、それをろこが読むことによって、そのようないろいろな解釈が可能な作品があるということを知ることが出来てよかったというのが率直な感想です。あとは新キャラクター登場に少し驚きました。わふ。でも長編ミステリとしてはどうなんでしょう? 去年の秋頃に『乱鴉の島』も読んだのですが、それもいまいちでしたし、うーむ……。ろこは『ダリの繭』や『海のある奈良に死す』、『朱色の研究』などが好きなのですが、あれから何か変わったのでしょうか? それとも何も変わってなくて、ろこが変わったのかなぁ……。わふぅ。
最近、有栖川さんの著作を読み続けていますが、どれも読後感があまりよくなく、小首を傾げてしまう自分が悲しいです。中編集の『白い兎が逃げる (カッパ・ノベルス)』はそれなりに惜しい作品があったのですが、短編集の『火村英生に捧げる犯罪』に関しては、関西人的には知ってる土地が出てきて嬉しいよね的な感想になってしまいます。昔、夢中になって講談社ノベルスの国名シリーズを読んでいたときのようには、もう楽しめないのかなぁ……。「作家アリス」シリーズは、もう腐女子的に脳内変換して楽しむしかないのでしょうか? でもそれをするにもキャラが若々しくなくなってるし、またそれだけだど悲しいですよね。わふぅ。
ろこは「学生アリス」シリーズは未読なので、2008年「本格ミステリベスト10」で第1位、本格ミステリ大賞受賞、『このミステリーがすごい!』で第3位にランクインした『女王国の城 (創元クライム・クラブ)』が少し気になってます。その為には「学生アリス」シリーズの過去作品を読まないといけないのですが……。確か知人が持っていたはずなので借りよう。わふ。あと気になるのは、最近話題になっているらしい『赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)』で、これも読んでみようと思います。でもこれってミステリじゃないんですよね? 楽しめるかな? まぁいいや。
昔、大好きで夢中になって読んだ作家さんの本が楽しめなくなるのって、なんだか寂しいなぁと思ったり、面白いミステリが読みたいなーと思う今日この頃です。やっぱミステリ大好きですし、でもその為にはちゃんとアンテナ張り巡らせておかなきゃですね。わふ。
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妃は船を沈める

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